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「獄中メモは問う」(道新選書)を読み…

「獄中メモは問う」(道新選書)を読み終えました。筆者は北海道新聞記者の佐竹直子さん。副題は「作文教育が罪にされた時代」です。素晴らしい作品でした。筆者が出演したNHKの「ラジオ深夜便」も合わせて聴いたため、理解がより立体的になり、筆者の感性を身近に感じたような気がしました。実に楽しい時間でした。

 なぜ、記者という職業を続けられるのか。記者にとって最も根源的で日常的な問いの一つに答えを出してくれています。地方新聞と全国紙の違いや、放送と新聞など、メディアの違いなどを超えたところに「答え」は潜んでいます。

 ネットメディアが数多く登場していますが、読者や視聴者の信頼を得るために、本当に必要なことは何なのかが伝わってきます。筆者も言っているように、取材過程で、ひょっとしたら見逃してしまったかもしれない資料に食らいつき、その意味を明らかにする粘りは注目に値します。取材活動を通じて到達した視界を、さらに広げる意思と実践が、一層、深い問題意識につながっていく様子は、見事としかいいようがありません。

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