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 「ネット社会」の今、新聞社の前にい…

 「ネット社会」の今、新聞社の前にいるのは二通りの人たちだ。

 第一に紙で提供しているサービスに今なお親近感を抱いている人々。従来からの手法に慣れた新聞社の人たちには、この層しか目に入らない。第二に、既に新聞という形を必要としない人々。従来とは別の形のメディアサービスを求めている。

 前者のボリュームはどんどん減少傾向にあるが、慌てる必要はない。新聞サービスの質を上げる努力をすることで足りる。新聞社が最も得意とする分野。それはそれで重要であり、サービスを維持するには大変なパワーを必要とする。顧客の懐具合を無視したような高価なデジタルサービスを無理して提案する必要はない。

 後者のボリュームは言うまでもなく、どんどん増加傾向にある。無理をしてでも、彼らに支持されるデジタルメディアサービスを多様に開発し、ニーズに合わせて提案しなければならない。新聞社の体力や置かれた環境によって条件は異なるが、真剣に取り組んでも長期戦になる。紙との合わせ技も、開発の余地は無限に広がる。

 特に地方新聞社の場合、地域、全国、世界を視野に入れながらデジタルサービスの開発に本気で取り組む必要がある。一見、華やかに見える全国紙や欧米の先進的な事例に目を奪われて何も始まらない。

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