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「アーカイブ」が開く可能性/「地域」と「メディア」(1)

dokoこのブログを運営する目的の一つに、既存のメディアとは異なる、新しい「地域メディア」をデザインする-というものがあります。インターネットが登場してほぼ20年、全国的な視野に立つメディアも、地域に由来するメディアも、一定のデジタル経験を経て、今後、どこに向かおうとしているのでしょう。

一方、ブログやソーシャルメディアの普及に伴い、情報収集と発信に長けた人や組織が地域にも多数見受けられるようになりました。情報環境の変容を強く意識しながら新しい担い手が参加可能な、新しい「地域メディア」の形を多様に手探りします。既存のメディアとの関係、特にジャーナリズムのあり方ともつながってくるので、容易な話ではありませんが、主にマスメディアが支配的な役割を果たした情報環境を脱し、次のステージを迎えつつあるのは間違いありません。

新しい「地域メディア」のイメージや可能性を考えるポイントとしてここでは、いわゆる「アーカイブ」について考えます。メディア世界の将来に関する議論としては、長期的な見通しに欠け、暫定的かつ熟度の低い話になるかもしれません。

「アーカイブ」について新鮮な観点を提供してくれる事例があります。NPO法人「20世紀アーカイブ仙台」とNPO法人「連想出版」です。「20世紀アーカイブ仙台」は、古い写真に凝縮された土地の記憶を市民参加で掘り起こし、共有する取り組みを進めています。「連想出版」は、街歩き ochanabiの起点となる民間施設「お茶ナビゲート」を都内・神田で運営し、アーカイブ(古地図、古写真など)と現代のスポット写真を組み合わせた立体的な空間を演出しています。 

写真(上)は、「20世紀アーカイブ仙台」が仙台メディアテークで開いた「どこ コレ?」。古い写真の記憶を多くの市民が持ち寄り、その写真が撮影された時代や場所を確定する。

写真(下)は「連想出版」が運営を受託している「お茶ナビゲート」。都市のアーカイブを活用したユニークな街歩きの起点となっている。

(次回に続きます)

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