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「誰かのために何かをする人」をゲストに/コミュニティ放送局「エフエムたいはく」の場合(下)

【写真】ゲストを招いての収録に臨む鈴木はるみさん。この日は世界進出を目指して京都府から宮城県丸森町に移住し、オリジナルの赤いパンツを製作販売している20代の起業家がゲストでした。

鈴木はるみさん(56)がパーソナリティをつとめる番組は「鈴木はるみのソーシャルで行こう!」です。毎週火曜の午後8時から放送されます。誘われてパーソナリティになって以来、今年で9年目に入りました。毎回、ゲストを招いてそのときどきの話題に切り込みます。毎週休まずに番組を提供し、8年間に招いたゲストはのべ400人を超えます。

「『ソーシャル』という名称は、当時、ビジネスで社会課題を解決する『ソーシャルビジネス』が脚光を浴び、一方でSNS『ソーシャルネットワーク』が社会に急速に広がり始めた、という2つの事象が同時に起こった時期だったことから、『ソーシャル』というキーワードに強く惹かれて番組名に取り入れました」

鈴木さんがパーソナリティとして取り上げる社会問題は実に多彩です。「普段は、企業経営者、NPO代表、学校の先生、映画監督、スポーツ選手、アーティスト、警察、消防、学生などなど、ジャンルを問わず様々な方をゲストに招いています。職種は様々ですが、共通するポイントは、『ソーシャルな活動をする人』=『社会で、誰かのために、という思いで何かをする人』ということです」

「オリジナルの特集企画もあります。例えば、マスメデイアに登場することの少ない地方議員にスポットをあてた市議会議員特集。それをきっかけに市議会の傍聴も始めるなど、ラジオを通した出会いによって、自分の世界が広がることも感じています。今後は、町の活性化に取り組む商店会の特集を企画中です」

鈴木さんは、自分の番組を毎週1回、収録・編集、放送するだけでなく、インターネット、特にフェイスブックなどのソーシャルメディアを活用して発信しています。「アナウンサーでもラジオ局の社員でもない、アマチュアのパーソナリティーが自分の感性で自主制作しています」というのがネット上の自己紹介です。

コミュニティ放送は「コミュニティ」の名称が示すように受信可能な範囲が限られていますが、インターネットを組み合わせることで、影響範囲が飛躍的に変わる可能性があります。

鈴木さんのフェイスブックもコミュニティ放送の可能性を模索する意味合いが大きいといえます。「ラジオは放送が終われば消えてしまいます。コミュニティ放送の場合、大手のラジオ放送に比べて可聴範囲が狭いので、自分の番組を誰が聴いてくれているんだろう。どれぐらいの人に放送が届いているんだろうと思うことがときどきあります。ネットをうまく使って、一人でも多くの人たちに自分が企画・演出した番組の情報が届けばうれしい」

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